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ゲルマニウムの夜 王国記・1

著者:花村萬月

価格:543円+税

ISBN:9784167642037

発売日:2001年11月9日

もう一度読みたい芥川・直木賞作品

人を殺し、育った修道院に舞い戻った男が、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。
第119回芥川受賞作である本作は、匂い立つようなエロと酸鼻をきわめるグロ描写、苛烈な暴力を通して、宗教というものの本質を突きつけてくる問題作だ。

外の世界とつながる唯一の回路であり、同時に神との通信装置として鉱石ラジオが重要なガジェットになっているが、どれだけ悪行を重ねても、神の声が聞こえることはない。それは、暴虐の限りを尽くす反面、どこまでも正気で、狂気に身を委ねきれない男の悲劇なのかもしれない。

刊行当時、単行本のフランシス・ベーコンの表紙に惹かれて手に取った。まともな人間がひとりも出てこない映画版もよかったです。

(志木店 T.O.)

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