「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」
この言葉と共に、数学界最大ともいえる世紀の難問を残した１７世紀の数学者、フェルマー。このあまりにも有名な「フェルマーの最終定理」に人生を賭け、果敢に挑み続けた天才たちの心震えるノンフィクション。
数学が得意な人はもちろん、学生時代数学が苦手だった人にもぜひお勧めしたい一冊。数学の世界がこんなにも熱いドラマに満ちているとは、これを読むまでは想像もつきませんでした。
２０世紀の天才数学者ワイルズが最後に完全証明を果たすまで、３００年。長い歳月をかけ、この巨大な難問の前に様々な天才たちが散って行きます。その時代を代表するようなレベルの数学者たちが、天才ゆえの周囲の無理解や時代の困難性と戦いながら、少しずつ謎を解き明かして次世代にバトンをつないで行くさまは、本当に胸が熱くなります。最後には無機質な数式の向こうに血のかよった人生が見えてくる、ロマンあふれる一冊。

(イオンモール奈良登美ヶ丘　中原)

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