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家族最初の日

著者:植本一子

税込価格 :1,078円

ISBN:9784480436276

発売日:2019年11月9日

お金について考えよう

ラッパー/文筆家のECDと写真家・植本一子、ふたりの娘との生活をつづったブログの書籍化。
日々雑記といっしょに支出のレシートがついており、よその家の家計簿を覗き見るような、疚しさまじりの楽しさがある作品である。

親本である『働けECD』の帯文には、「月給16万5千、家賃11万。家族4人(と猫3匹)、生活してこられたのが不思議でしょうがない。」とある。
読んでみると、確かに生活は苦しそうだ。一方、どこかのんきで、金がないなりに暮らしを楽しんでいるようすがいきいきと描かれてもいる。
その中にも、しんとした悲しみを感じさせ、それが本書をただの日記ではなく、私小説風の文芸作品として成立させている。

以後、著者は『かなわない』をはじめとする著作でこの表現を突き詰め、現代の日記文学をアップデートしていくことになるが、本書はそれらの嚆矢となる作品だ。財布や、ポケットの底でしわくちゃになっているレシートから生まれた、リアルでアクチュアルな日記文学といえるだろう。

かくいう私も、月額1万5千円(悪事がばれて半年間の5千円減額中)でやりくりをしている。しかも昼食代込みだ。お金について考えざるを得ない。
それは生活について考えることでもある。
本書を、今と未来の暮らしを見つめなおすきっかけにしてみてはいかがだろうか。

(志木店 スタッフ)

 

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