おすすめ書籍

特攻服少女と1825日

著者:比嘉健二

税込価格 :1,650円

ISBN:9784093891226

発売日:2023年7月12日

今週のおすすめ本

かつて『ティーンズロード』というレディース専門雑誌があった。
本書は、その創刊から休刊に至るまでを、初代編集長・比嘉健二氏が回顧したノンフィクションである。

彼女たちは社会からはみ出した存在だったが、『ティーンズロード』は、こぼれ落ちた彼女らを受け入れる「居場所」として、機能していた。
中でも、非行少女だけでなく、今でいう引きこもりやニートたちからの投稿も多く、雑誌が彼らの受け皿にもなっていた、という記述は興味深い。
現代でも居場所のない若者たちはさまざまな形で存在し、社会問題となっているが、出口の見えない不況や格差が拡大している分、彼らを取り巻く状況はより悪化しているだろう。
雑誌は今や絶滅危惧種となってしまったが、社会からのはみ出し者はいつの世にも必ずいる。
今こそ、「不良」だけでなく引きこもりやニートなど、タイプの違う個性をまとめて受け入れる器となるメディアが求められていると、本書を読んで感じた。

今年読んだ本の中で、いちばん面白かった本。
年末年始のお供におすすめです。

(志木店 スタッフ)

 

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