自分磨き。
これまで自分を磨いたことなどあっただろうか？しばらく考えてみたが、何一つ思い浮かばない。
強いて言えば、学校を卒業して、就職活動もせずにふらふらしていた頃、サウナ通いにはまった。
全身がかかとのようだった肌はつるつるになるし、母親には、「あんた最近顔色いいね」などと声をかけられた。風邪もひきにくくなった。汗を流すことで代謝が促進し、自律神経系に働きかけるため、免疫機能もあがるようだ。
あれは、確かに自分磨きだったように思う。

そして時は2022年。空前のサウナ・ブームであるらしい。
本書はその火付け役となったサウナ・エッセイである。著者はリリカルな作風の漫画や水草水槽の啓蒙活動などでも知られるタナカカツキさん。サウナで得られるナチュラル・サイケデリック体験「ととのう」というタームも本書が出自で、日本サウナ・スパ協会の公式サウナ大使でもあるとのこと。まさに、サウナ界のジェダイ・マスターだ。

体にいいのはもちろんのこと、サウナは心の健康を保つのにも有効。
妬み、嫉み、憎しみ、怒り、ストレス、コンプレックス、自己嫌悪、青春の蹉跌、思い出す程にのたうち回る若気の至りや酒の上での失敗（上司にからむとか・・・）など、あなたを蝕むさまざまなネガティヴな感情は汗といっしょにデトックス。きれいさっぱり床に流して、まっさらな自分と健康な体を取り戻しましょう。

新しい物事にトライする時は、実用的な入門書やガイドより、それについて書かれたエッセイなどを読むと、より入りやすいです。
サウナ入門書としてもおすすめです。

（志木店　スタッフ）

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