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復活の日

著者:小松左京

税込価格:836円

ISBN:9784041065815

発売日:2018年8月23日

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巨匠小松左京が1964年という今から半世紀以上も前に執筆したこの作品が、今回のコロナ禍によって(はからずも)その先進性に注目が集まるというのは、なにか複雑なものがあります。当時は東西冷戦がピークに達しており、核兵器による人類滅亡が現実感を持っていた時代。そこに細菌(BC兵器)に着目する先進性とリアルな描写は、ひと際異彩を放つものでした。不慮の事故で研究所から流出したウィルスが、目に見えず、静かに、無慈悲に、抗いようもなく蔓延していき、南極基地に残った人々を除いた人類を破滅に至らしめる……。コロナが登場するまで、こんなにもあっけなく社会が変わってしまうなんて、誰も思っていなかったはず。でも本書のタイトルは『復活の日』。ここでは特別なヒーローでも愚劣な政治家でもなく、市井の人々の良心と努力が道を切り拓いていこうと力強く前へ進む姿に希望があります。初の南極ロケを敢行した大型映画化の際と同じ生賴範義画伯の表紙による、角川文庫の改訂版がオススメです。

(アリオ上尾店 代島)

 

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